「発見!千葉編集部」

千葉で体感する、ロッカクアヤコの世界

  • 見る

2016〜2018年の期間、JR千葉駅直結のショッピングセンター「ペリエ千葉」が段階的にオープンし、その度に駅構内を彩ったポップな看板やポスター。幾重にもなった豊かな色彩とその中に埋れながらも存在感を放つ少女の姿が印象的で、記憶に残っている方もたくさんいるのでは。このキービジュアルを制作したのは千葉市出身の世界的なアーティスト、ロッカクアヤコ氏でした。現在千葉県立美術館で彼女の大規模な作品展が行われています。また、ペリエ千葉でもこの作品展を記念して「ART × GOURMET FAIR」を開催中。今はポルトガルで制作活動を行う彼女の作品と世界観に一挙に触れられるのはなかなかないチャンス。ロッカクアヤコワールドを一緒に覗いてみましょう!

村上隆の主宰するGEISAIから世界へ! 日本屈指の現代アーティスト

ロッカクアヤコ氏はグラフィックデザインの専門学校を卒業後、20歳頃に独学で絵を描き始めます。彼女の制作方法の特徴である「手指で直接描くスタイル」はライブペインティングを行う中で生まれたと言います。2006年には日本を代表するアーティスト、村上隆氏が主宰する現代美術の祭典「GEISAI」でスカウト賞を受賞。以来、2011年にオランダのクンストハル美術館、2012年にはスロバキアのメレンスティーン・ダヌビアーナ美術館でそれぞれ大規模な個展を開催するなど世界各地で作品展を行い、今、もっとも注目されている若手現代アーティストの1人として認知されています。多くの熱狂的なファンも押し寄せたことから、その人気の高さがうかがい知れます。

未発表の新作を中心に、160点を公開中!

三角形をした高い天井ゆえか、神殿のような厳かな空気を携えた展示室を、自身の作品展のステージとして選んだのはロッカク氏ご本人でした。奥にある横幅7m、高さ5mものおむすび型の大作を中心に、立体と平面の大小様々な作品が素晴らしいバランスで展示室内に収まっています。ここにある160点もの作品のほとんどが新作というから驚き。国内公立美術館では初の大規模な作品展となりました。千葉県立美術館の学芸員を務める松田さんは「世界ですでに絶大な評価を受けているロッカクアヤコさんですが、日本でもこれからさらに盛り上がりを見せるはずです。まずは千葉の私たちがやらなければ! そんな思いで展覧会が実現しました」と嬉しそうに語ってくださいました。

ポップな中に、力強さと繊細さが同居

「まるで色彩のシャワーを浴びているかのよう。見ていて元気になる、純粋な楽しさとポジティブなエネルギーがあります」と作品の魅力を語る松田さん。ロッカク氏は幼い頃から落書きが好きで、絵具をグチャグチャ塗っていた記憶が残っているのだとか。実際に作品を目の当たりにすると、そんな幼少時代の光景が目に浮かぶようです。勢いがあり、大胆で、ポップ。しかしそこには細かいタッチと色が何層にも重なっていて、実際はとても緻密。抽象画としても完成度が高く、計算された構図だということも同時にわかります。今回の展示では、円形や楕円など様々な形のキャンバスを使ったことで、その技術の高さもあらわになりました。

作品:『Untitled』ロッカクアヤコ(2020年制作)

“形”への新たな取り組み

今回の作品展では「形」にこだわっているのもポイント。平面の四角いキャンバスに描く絵画だけでなく、木材をろくろなどでひいて円形に形造る伝統工芸、静岡挽物のブランド「SEE SEE」の一輪挿しとのコラボ作品(写真)や、雲や宇宙船のようなユニークな形のキャンバスを用いた作品群「宇宙戦争」。また、様々な形の段ボール、もこもこと積み重ねられたぬいぐるみまで、立体的な作品によるインスタレーションも楽しめます。ロッカク氏はこの新たな取り組みについて「今まで段ボールやキャンバスをメインに“色”に重点を置いて絵を描いてきましたが、それをもっと自由に解放する方法を模索する中で自然と色々な形に挑戦するようになった」と語っています。

作品:『Flower Vase』ロッカクアヤコ(2020年制作)

子供から大人まで、ビギナーから上級者まで

「ロッカク氏のアートは子供でも楽しめるようなわかりやすさと親しみやすさを持っていて、垣根をとっぱらってくれるような存在。普段アートに触れ慣れていない人も楽しめる作品でありながら、同時に高度で奥深い現代美術の“今”を見せてくれる存在でもあります」。彼女は “新しいことに前向きな、現在進行形のアーティスト”そう松田さんは表現します。ロッカク氏ご本人に、前に進み続けられる理由を聞いてみました。「立ち止まってゆっくり考えるよりは、動き続ける中で直感的に捉えられること、気になる出会いや面白そうだと思ったことをとりあえず形にしてみる方が自分に合ってるんだと思います。根本的には絵を描くことが好き、描き続けていたいというのがあると思います」。

大作の制作は美術館内のアトリエで

今回展示されている一部の作品は、美術館内のアトリエで制作されたもの。「アトリエには解放的な窓があり、芝生のお庭越しに昔花火大会によく行っていたポートタワーを見ながら制作するのは感慨深いものがありました」とロッカク氏。また、作品展についてもメッセージをいただきました。「ほぼ新作とはいえ、初期から使っている段ボール作品からキャンバス作品、新たな立体作品など、私の世界観を幅広く見てもらえる展示になっていると思います。千葉出身でこんな人もいるんだということを知ってもらえたら嬉しいです」。彼女の作品はほとんどが“Untitled”(無題)。創る方も感じる方も自由にイメージできる、そんなアートの楽しさを教えてくれているのかもしれません。

●千葉県立美術館
住所:千葉市中央区 中央港1丁目10-1
最寄駅:JR・千葉都市モノレール 千葉みなと駅から徒歩約10分
営業時間:9:00~16:30
定休日: 月曜(祝日の場合は開館し、翌日休館)、12月28〜1月4日
電話番号:043-242-8311
入場料金:コレクション展・魔法の手 ロッカクアヤコ作品展共通 大人300円、高大生150円、中学生以下、65歳以上、障害者手帳をお持ちの方及び介護者1名 無料
※その他料金の詳細はHPをご覧ください。
HP:http://www2.chiba-muse.or.jp/www/ART/index.html

Photography:Pak Ok Sun , Yosuke Torii

一覧に戻る

TOP

住所
〒260-0031 千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉2F-3F
営業時間
10:00~22:00 日・祝10:00~21:00
※一部店舗により異なります