「発見!千葉編集部」

千葉県の急上昇ワード、「チバニアン」ってなんだ?

  • 見る

巷で話題の「チバニアン」、一度は耳にしたことがあるのでは。これは千葉県市原市田淵、養老川沿いにある約77万年前の地磁気逆転地層「千葉セクション」が、地球の時代区分の国際標準地に選定される可能性が高まってきているというニュース。千葉県内のみならず、日本中、いや世界中が注目しているのです。これによって千葉セクションは今、観光客や報道陣で大にぎわい。まだ審査の第1段階を通過したところですが、正式決定した場合には大変な混雑が予想されます。訪れるなら今のうち! ここでは市原市役所ふるさと文化課の牧野さんにお話をうかがいながら、「チバニアン」についてわかりやすく解説します。地球史のロマンを、千葉に感じに来てください。

どうしてこんなに話題に?  「チバニアン」徹底解説!

約46億年の地球の歴史は、地質年代で区分されています。時代の境目が地球上で最もよくわかる地層が国際標準地(GSSP)として定められ、その土地にちなんだ時代名が付けられるのが慣例。今回、市原の千葉セクションが約77万年前の地質年代の国際標準地として最終候補に選ばれており、決まった場合は時代の名称が「チバニアン(ラテン語で“千葉の時代”という意味)」になると話題になっているのです。地球史の名称に日本の地名が選定されるのは初めてのこと。決め手となったのはこの地層に、地球の地磁気(S極とN極)が逆転した痕跡が残っていたからです。地球は過去360万年間だけでも11回の地磁気の逆転を繰り返していて、ここは、約77万年前に起きた最後の逆転が確認できる貴重な「地磁気逆転地層」なのです。

地球に起こった「地磁気の逆転」とは、つまりこういうこと

通常地球の地磁気はN極が南極付近、S極が北極付近にありますが、地磁気の逆転が起きた時にはそれが入れ替わります。前述のように地球ではこれまでの歴史の中で何度も地磁気が入れ替わっていて、それは約100万年から約1000万年の周期で訪れるそう。堆積された地層中の鉱物に残されている微量な磁気を分析することでその時代が明らかになります。完全に入れ替わるまでは磁気が不安定な状態が続くこともあるのですが、千葉セクションは磁気が正常な時代、不安定な時代、逆転の時代と連続して確認できる、極めて珍しい地層帯なのです。もちろん目に見えるものではないのですが、現地では逆磁極期が赤色、過渡期が黄色、正磁極期が緑と杭で色分けされているので、私たちでも容易に観察することができます。

イタリアを制して審査を通過したのには、こんな理由が

「地磁気逆転地層」は世界で他にイタリアの2箇所でも確認でき、GSSPをめぐり数年にわたって競い合ってきました。今回イタリアを制して審査を通過できた要因は、牧野さん曰く、「まずひとつは地磁気逆転を逆磁極期から過渡期を経て正磁極期へと逆転する現象を連続して分析・観察できること。そして地磁気逆転だけでなく前後の地層に含まれる微化石や花粉などの分析により当時の環境を復元できること。さらにアクセシビリティに優れていることが判断材料になったようです。千葉セクション現地は急な坂道もありますが、それでもイタリアよりは行きやすいらしいです」とのこと。イタリアを含めヨーロッパの研究者が田淵へ視察に訪れるなど、交流があるため旗が掲げられているのだとか。

地球の歴史をこの目で確かめる! 千葉セクションへの行き方

千葉セクションの最寄駅は小湊鉄道の月崎駅になります。JR千葉駅からは約1時間30分程度。県道81号線を南下すると「田淵会館」の看板が見えるので、右折します。そこから500mほど坂を下ると千葉セクションに到着。「現地は養老川沿いになり足元が不安定なので、長靴もしくは靴底のしっかりした履物があった方が楽しめるでしょう。夏にはヤマビルやマムシが出る可能性があるので長袖長ズボンがよろしいかと思います。また、雨天や雨天後には川が増水し大変危険ですので近づかないようにしてください」と牧野さん。車で訪れる方は、田淵会館に数台分の駐車スペースがありますが、民有地なのでできる限り公共の駐車場を利用するようにしましょう。

千葉セクションに着いたら、おさえておきたい見どころ

千葉セクションの上方、横に一本の筋が入っています。これは約77万年前に長野の御嶽山が噴火した時の火山灰の堆積層で、地磁気逆転現象の目印となります。「現地は約77万年前の海底堆積層が地上に隆起した場所。そこに川が流れることであの露頭(崖面)が作られました。その蛇行して緩やかに流れる養老川も、V字谷ではなくU字谷となって河床が浅く平らになっている、全国的にみても極めて珍しい地形をかたちづくっています。みなさんが立つ川岸も約77万年前には海底だった場所なので、足元をよくみると貝の化石や生物が海底を這った痕跡(生痕化石)などを観察することができます。そういった川からの視点ももってもらうとより興味が広がるかもしれません」。


チバニアンだけじゃない! 併せて楽しみたい養老渓谷

せっかく千葉セクションに訪れたのなら、養老渓谷周辺を散策してみましょう。チバニアンと併せて楽しめる見どころや自然溢れる養老渓谷の魅力を、牧野さんにおうかがいしました。「養老川に流れ込む流路には遠目から見える滝(地形上危険なので近づくことはできません)や、ポットホール(岩石が水流によって動き河床に穴を開ける現象)や農業用水用の素掘りのトンネルもみられます。田淵とつながる国本層の地層も、渓谷各地の大きな崖にあらわれており見ごたえがありますよ。観光面では四季折々、自然の多様な魅力が見られることですね。新緑・紅葉はもちろんのこと梅が瀬渓谷遊歩道の巨大なつららは必見です。ぜひ小湊鉄道で訪れて、粟又の滝や温泉郷でゆっくりしてみてください」。

市原市が公開している、チバニアンにまつわる動画はこちらからご覧ください。
●15分で学ぶチバニアン
https://youtu.be/BKUgPlKHdr8  
●チバニアンの楽しみ方
https://youtu.be/IEdH3f14d9I

photography:Pak Ok Sun(CUBE)

一覧に戻る

TOP

住所
〒260-0031 千葉市中央区新千葉1-1-1 ペリエ千葉2F-3F
営業時間
10:00~22:00 日・祝10:00~21:00
※一部店舗により異なります